パンを作ろう!
夫さんです、こんにちは!
アメリカ(少なくとも今我々の住んでいるマイアミ)って、日本みたいな食パンやペイストリーってあまり売ってないですよね。ので、今回は手作りパンのレシピを紹介したいと思います。
でもパンって特別な器具や技術が必要とか、すごく手間がかかりそうなイメージがありませんか?
そこで今回は、簡単!美味しい!早起き不要!なペイストリーが作れるレシピを紹介したいと思います。
アメリカに引っ越してきて間もなく、妻のまるいさんがつぶやきました。
「おいしいパンが食べたい…」
そう言う妻の目にはうっすらと涙が浮かんでいました(実話です)。
確かに近所のスーパーで売ってるパンって薄いし、なんだか風味もちょっと酸っぱい。
と言う事で夫さんは愛する妻のため、ここ1年半、旅行とか一時帰国の時以外は大体毎週手作りパンの試行錯誤をしてきました。すごくないですか。
で、今回はその中で見いだした簡単で美味しいペイストリーのレシピを紹介します!
あ、画像は全然意味ないです。
「ボケて」から拾ってきました。
あと僕も調理師免許無いです。
はじめに
このレシピでは結構、なんというか、基本から外れたやり方を取っています…笑
ので最初ちょっとうんちくから入らせて下さい。
まず初めにキーワードは、「湯種」「オーバーナイト法」です。
湯種は熱湯を入れてデンプンを変性(β化)させた小麦粉を生地に混ぜてやる手法です。これによってパンにお餅の様な食感を与えてやり、さらにはパンが硬くなるのを防ぐことが出来る様になります。家で作ったパンって焼きたてはもちろんおいしいんですが、老化が早く、保存しておくと硬くなっちゃったりしがちです。でも毎日パン焼くのもめんどくさい…。できたら一気に何個か作って、冷凍しておいておきたい。この湯種を生地に混ぜることで水分が抜けにくく、長く置いても硬くなりにくいパンが作れるんです。
それからオーバーナイト法、これは通常35℃程度で1時間ほどかけて行う一次発酵を、やや少なめの量の酵母を用いて低温で長時間かけて行う方法になります。一次発酵も厄介な工程で、温度の管理や発酵具合の確認が結構シビアなんですね(ホームベーカリーがあれば勝手にやってくれますが)。それが低温でじっくりやる事で比較的コントロールしやすくなる、という狙いです。もうひとつオーバーナイト法にはメリットがあって、オートリーズという性質(現象?)です。小麦粉を水と混ぜた状態で長時間置いておくとそのままタンパク質がつながりグルテンが形成される性質を利用する手法です。
僕の中でパン作りで一番疲れる&慣れの必要な作業が「捏ね」でして、このオートリーズを利用して捏ねの工程を楽にしてやろうと言うもくろみです。
そして何より大事なのは、「朝イチで焼きたてパンを食べたい!」って言う時にそこまで早起きしなくて良くなる、という点なんですね。通常捏ね、一次発酵をやっていると一時間半ぐらいはかかります。このオーバーナイト法ではこれらの工程を前の晩のうちに完了出来るので、概ね1時間ちょっとの作業で焼きまでいけます。
これらの手法により美味しいもっちりしたパンが、しかも少ない手間で、早起きせず作れるんです!
材料
前置きが長くなりましたが、材料は以下の様になります。
材料(6コ分)
○湯種
強力粉:40g
お湯:40mL
○本生地
強力粉:160g
塩:2g
砂糖:16g
牛乳:100mL
バター:12g
水:10mL
酵母(インスタントドライイースト):3g
あと道具としては、カード(スケッパーとか、スクレイパーとも)があると手や台に付いた生地をこそげたり、生地を分けるのに便利です。あと麺棒もある方がやりやすいです。他にはボウル、はかり、ヘラぐらいでしょうか。多分どのご家庭にもあるかと思います。
では作っていきましょう!
湯種作り
(作業時間目安:5分)
湯種作りは簡単です。
強力粉40gに対してお湯を40mL加えるだけです。
ただ注意点として、目的は小麦粉中のデンプンを変性させてα化させてやる事なので
- 熱湯を使う事
- 餅をつく様なイメージで素早く練ってやること
の2点だけ、注意して下さい。
湯種が手で触れるぐらいにまで冷めたらラップでくるんで平たくしてその辺に置いておきましょう(湯種はこのあと本生地に混ぜ込みます。その時まだ熱いと本生地のタンパク質を変性させてしまうので平たくして冷めやすくしておきます)。
本生地の仕込み
(作業時間目安:30分)
材料を混ぜる
まず強力粉160g、塩2g、砂糖16gをボウルに入れます。
次にバター12gを少し細か目に刻んでやり、40℃程度に温めた牛乳100mL(レンジで15秒〜20秒ぐらい加熱してやると良いです)と混ぜて溶かします。くれぐれも牛乳を熱くし過ぎない様注意して下さい!バターの風味が飛んだり、本生地のタンパク質が変性してしまいグルテンが形成出来ない原因になります。
バターは完全に溶かしきらなくても良いですが、まぁなるべく溶かしておきましょう。どっちだ。
このバターを溶かした牛乳を少しずつ、先ほどの強力粉、塩、砂糖を混ぜたボウルに注いでやります。だいたい1/3入れてヘラで混ぜて均一にし、また1/3入れてヘラで混ぜる感じですかね。
そしたらちっちゃいタッパーかなんかに3gと水10mLを混ぜてやります。水10mLなんて量測りにくいですって?!水は1mL=1gだからはかりで10g入れてやると良いよ!そしたらスプーンとかでねって酵母を水に溶かしましょう。
ちなみに酵母を水で溶かすのは予備発酵のためではなく、生地に混ざりやすくするためです。このレシピでは予備発酵の必要ない、「インスタントドライイースト」を使っています。またさっきの牛乳&バターと一緒に溶かしてやればよくね?と思われるかもしれませんが、いきなり酵母を油分と混ぜると発酵が悪くなってしまう場合があるのでややめんどくさいですが最初は水で溶きましょう。
あとは最後残りの1/3の牛乳と、このドライイーストを溶かした水、それから先ほど作った湯種をちぎってボウルに一緒にいれてやりヘラで練り上げます。
捏ねる
さて、やってまいりました。パン作りと言えば生地を捏ねる工程でしょう。
ここで手に生地がべたべたくっつくと言う理由でパン作りを敬遠してしまう方もいるのではないでしょうか。
でも、安心して下さい。
この工程は避けられません。ドンマイ。
とは言え、オートリーズさせるので通常よりかなり短い時間で終わらせてしまってOKです。それからもしホームベーカリーを持っている方がいたらここで生地をホームベーカリーに放り込んで、30分ぐらいこねを任せてしまってもOKかと思います。
ホームベーカリーが無い方は、以下の感じで捏ねていきましょう。
- 生地を台にこすりつける様なイメージでぐーっと伸ばす、戻すを繰り返す(5分程度)
- 生地を持ち上げ、台に叩き付ける(これも5分程度。そこまで強く叩きつけなくても良いです)
この捏ねの工程に関しては、我が家の推しYoutuber、完全感覚ベイカーさんの動画を見るとすごく分かりやすいです。お手本の様な製パンっぷりです。あとなんていうかイケボです。
ただ、今回はオーバーナイトさせるのでこの動画ほどキレイにこねなくて大丈夫です。なんとなくツルっとしてきたら大丈夫です。適当にやっていきましょう。
一次発酵
あとはこれを丸めて材料を入れたボウルに戻し、ラップに入れてそのまま冷蔵庫に入れましょう。野菜室があればそっちの方が良いかもです。
そしたらなんと、そのまま一晩寝かせましょう!これでこの日の作業は終了です。 なお翌日の予定ですが、朝ご飯を開始したい1時間半ぐらい前に起きると良いかと思います。
それではおやすみなさい。
おはようございます。よく眠れましたでしょうか。
生地を見てみましょう。目安として大体2倍ぐらいに膨らんでいればOKです。ただこれは酵母のメーカーや冷蔵庫の温度によっても変わるので、膨らみが足りなかったら時間を伸ばす、酵母を増やす等調節してみて下さい。
これで一次発酵は終了です。
成型(ロールパン)
(作業時間目安:10〜30分)
作業時間がえらい範囲広いのは、どんなパンを作りたいかによって変わるからです。ストイックにロールパンを作るだけなら10分ぐらいで終わると思います。
今回は基本のロールパンを作ってみましょう。他の成型も書くと長くなっちゃうのでまたそのうち別の記事で書きたいと思います。
まず生地を6等分します。 このレシピだと1個60g前後です。
生地冷たいですか?大丈夫です、冷たい方がべたつかず成型がやりやすいです。作業してるうちに常温に戻ります。(多分!)
成型の工程を1枚ずつ紹介すると長くなるので、画像1枚にしました。細い方をやや分厚めにした方がキレイに段差が出やすくて良い感じです。
台や麺棒にくっつく場合は、少しだけ打ち粉をしましょう。ただ打ち粉をし過ぎると巻いた後中で生地同士がくっつがず、焼いた後でも分離した感じになってしまいます。ので、打ち粉はほどほどに。
そしたら二次発酵に入れていきましょう!
二次発酵〜完成
(作業時間目安:45分)
成型が済んだら二次発酵に入れましょう。といっても特に気をつけることはありません。オーブンを軽く温め(40℃ぐらい、手を中に入れたらちょっと温かいかな〜?ぐらいです)、20分ほど入れておくだけです(二次発酵は30分ぐらいかけるんですが、取り出した後オーブンの余熱時間が10分ぐらいはあると思うので20分で取り出そうと言う作戦です)。
20分経ったら取り出し、オーブンを355°Fで余熱しましょう。最初は「Bake」モードでやるのが良いかと思います。あと、割とどうでもいいんですが僕はIKEAで買ったバットにアルミホイルを敷いて、それに薄く油を敷いて焼いてます。写真のアルミホイルがちょっとくしゃくしゃなのは何度も使い回しているからです(そう、僕はすごくケチなんです!)
オーブンを余熱している間にパンに溶き卵を塗りましょう。なるべく卵黄と卵白が均一になるように丁寧に溶いた方が良いです。
そしたら、
- 「Bake」355°Fで6分
- 「Broil」355°Fで7分
焼きましょう!さて仕上がりは…
く、くっついとるー!!
と言う事で、焼く時はちょっとパン同士の距離を空けて焼きましょう。分かったかな?
おわりに
さぁ、上に塗った卵の残りで作ったズッキーニ入りスクランブルエッグ、やたら大量のサラダ、フルーツ(前日の会社のパーティーで余ったやつ)を盛りつけて今日の朝ご飯の完成です!
ちっちゃい丸いのは薄皮パン風のヌテラ入りパン、ちぎれてるのは妻と半分こしたアンパンです。
というワケで皆さん今日の記事を読んで思った事をせーので言ってみましょう。
せーのっ
ロールパン食べへんのかーい